小説・歌野晶午「長い家の殺人」〜レビュー〜

こんにちは!

歌野晶午さんの「長い家の殺人」の感想です。
この作品は歌野晶午さんの初期の作品です。すごく懐かしい気持ちになるミステリーですね。トリックや暗号に凝っていたり,偶然の度合いが大きめだったりした点から,そう感じました。

コを押しつぶしたような長いロッジに泊まりに来た学生バンドのお話です。このロッジの名前,部屋番号も少し凝って考えてありましたが,少し面倒でした!でもこういった豆知識はけっこう好きです(*´−`*)ノ

内容は全体的にわかりやすかったかなと思いました。探偵役も誰になるのかわかってしまっているし,殺人のトリックも2回同じのを使うのはどうかと思いました。一回目でもわかった人はかなりいるのではないでしょうか?
その結果,犯人も突き止めやすい本になってしまっているのではないかと思います。それ以外にも,殺人が2回続き,殺害方法・荷物の消失という要素が続いているにも関わらずもまだ内部犯行を疑わないのもどうかなと思いました。

最後までこれといったどんでん返しがあるわけではありませんでしたが,初期の作品でここまで書けるのはすごいな〜と感心しました。細かい描写や緻密に心理状況もちらしてありますね。
あまり評価は高くないですが,トリック云々よりは読ませるだけの筆力があるのはが羨ましいです!

この作品はシリーズ物で続いているようなので,もう少し読んでみたいなと思いました。

それでは!